mame_usa’s diary

アメリカ生活・データについて語っています

「切りが良い」より「切りが悪い」が効率的

 

 

「今日の仕事は○○までやったらおしまいにしよう」

「今日の勉強は△△ページまでやろう」

と決めて一日を終えた経験がある人は多いでしょう。

そうして終えた一日は気持ちが良いし、ビールやワインを一杯、または

我慢していた冷蔵庫のケーキをご褒美に食べたりする人もいるのではないでしょうか?

 

質問ですが、そうして終えた翌日の仕事や勉強は

スムーズに開始する事が出来たでしょうか?

私の場合、仕事にとりかかるのに時間がいります。

毎朝9時からミーティングがあるのですが、それが終わってからは

メールをみたり、優先順位の高いタスクをやらなければならないのに

順位の低いタスクをやってみたり、どうもスッと業務にとりかかれないのです。

 

私の仕事はデータベースを作る&管理する事で、

チームと話し合って決めたり、自分がデザインしたロジックに従って

SQLのコードを書きます。

たまに自分の書いたコードがエラーを起こしたり、

思った通りのデータを抽出できなかったりして、

自分の課されたタスクに行き詰る事があるのですが

私はそういう時にはわざと、その切りの悪い所で終業するようにしています。

 

何故そんな事をするのか?

その方が翌日の仕事をすんなりと始められるからです。

これはゼイガルニク効果(Zeigarnik Effect)という現象を利用したものです。

 

この現象はどんなもので、誰がどうやって発見したのでしょうか?

名前にある通り、これはリトアニア出身の心理学者、ブリューマ・ゼイガルニク

(Bluma Zeigarnik)が発見したものです。

 

1920年頃のある日、彼女とその教授はビアガーデンで心理学について語っていました。

そのレストランには、フロア内を軽やかに移動しながら

テキパキと食事やドリンクを運ぶウェイターがいたのですが、

彼女と教授はふと、その男性が客から受けた注文をメモすることなく

そして間違える事なく、料理を運んでいることに気が付いたのです。

 

「どうやっているんだろう?」

 

と気になった二人は、その男性の記憶力をテストをすることにしました。

ウェイターが料理を運び終えたテーブルのお客さんに

その人達が頼んだ料理をナプキンで隠してもらい

彼らが注文したものをウェイターに当ててもらうというテストでした。

 

結果はどうだったと思いますか?

なんと、ウェイターは見事に答えられなかったのです。

注文を受けたものは完璧に覚えているのに、

運び終わったとたんに忘れてしまっていました。

こうしてゼイガルニク効果は発見されたのです。

 

ゼイガルニク効果とは、

「人は達成できなかった事柄や中断している事柄のほうを、達成できた事柄よりもよく覚えている」という現象の事です。

 

よく友達や家族に話そうと思っていた事を、その人に会ったとたん忘れてしまって

「何を話そうとしたんだっけ?」と悶々とした事はないでしょうか?

このような「達成できなかった事」というのは、気になって仕方がないものなのです。

 

私が仕事を切りの悪い所で終える理由は

わざと「早く昨日終えられなかった問題を解決したい!」

という状況を作り出すことによって

翌日の仕事のとりかかりを容易にしているのです。

 

皆さんもやってみてはいかがですか?